菩薩

わたしたちの家の菩薩のレビュー・感想・評価

わたしたちの家(2017年製作の映画)
3.5
黒沢清が用意したプレゼントBOXが時空を超えて(20年くらい)我々の元に届けられた事は喜ばしい事だと思うが、その中身が金か真鍮かを見定めるのは、現時点では時期尚早であると思う。ただあの花瓶の中身があちらに行き、それが彼女の手に渡ったのにはなんらかの意味がある気がするし、その対価として送り返された(?)あの箱の中身が真鍮だったらちょっと寂しい。見せ方、惹きつけ方にはついては文句無し、障子に穴のとこなんて背筋も凍るし、音の使い方はさすがHEADZ配給だね(笑)って言いたくなる。ただシナリオ、ストーリー面に関してはもっと何か加えても良いと思うし、逆に削っても良いと思う(レジスタンス設定いる?世界の綻びを埋める、とかそんな感じ?リヴェットって事か。)。ただこう言う作品に実際足を運ぶ度思うが、劇場を満員に出来るってのはそれ自体が才能の証のような気がする。師匠の庇護の「家」から飛び出して、次の「わたしの家」をどう構築出来るか楽しみである。なんなら藤子先生の「パラレル同窓会」の実写化なんてどうだろうか…。
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