SatoshiFujiwara

勝手にふるえてろのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.0
なーに、単なる自意識過剰で承認欲求がやたらと肥大したうざいこじらせ女子の話じゃねえかと切って捨てたい気がするが(久方ぶりの同窓会で名前を忘れられるなんてことはままあるじゃねえか、などと冷静に突っ込んではならない)、そうはしない(できない)のはひとえに「行くぜ、東北」のイメージしかなかった松岡茉優の強烈な魅力ゆえで、しかしその松岡茉優だって額が狭いし、手がごついし、スタイルだって特に良くはないし見ようによってはブス寄りにすらなるが、そんなこんなを引っくるめた上で実にチャーミングであるし、躁鬱的に振れ幅の広い演じっぷりはあっぱれとしか言いようないが、ともあれちょっと天才的なオーラすら放出している。こんなのが同じ職場にいたら面倒くせえなと思いながらも喜んで振り回されたい。『タモリ倶楽部』、なかんずくその『空耳アワー』を愛することでは人後に落ちないであろう松岡茉優演じる良香(よしか)がヘッドフォンで稀に見る傑作「ナゲット割って父ちゃん」(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの『キリング・イン・ザ・ネーム』)を聴きながらノッているシーンなどの小ネタも効いております。渡辺大知は時たま町田康の若かった頃の顔に似て見える瞬間があると感じた人は他にはいるんでしょうかね。あ、あとは古舘寛治のあのニョロっとしたというかヌメヌメした雰囲気はやはり最高だな。何となく人間離れしたような華奢な身体付きと「変な顔」をした趣里の髪をブロンドに染めさせて、あの少ない登場時間で強烈に印象付けた辺りも良い。本作、『脳内ボイズンベリー』と甲乙付けがたい「処女映画」(『モテキ』系を「童貞映画」と言うなら処女映画と言ってもよいでしょう。処女って言葉は度々登場するし、事実良香は処女なのだ)と呼ぼう。