主人公ヨシカの、妄想と現実をたゆたう演出が楽しい映画でした。
ヨシカは、面倒くさい性格なんだけど、放っておけないような、危なっかしさが魅力的な女性です。
これは女優さんが松岡茉優だったからでしょう。彼女、演技が自然で、とてもチャーミングですね。
恋人未満な関係、気持ちのすれ違い、主人公の女子が変わってる。モノローグ多用、動物園、強気なタイトルという共通点から、先日観た「愛がなんだ！」を想い出しました。
「愛がなんだ！」は文学的で、「勝手に震えてろは、少女マンガっぽい感じかな。
【あらすじ 】ネタバレあり
主人公ヨシカは、彼氏のいない24歳女子。
自分を過小評価してしまう性格で、つまらない現実世界から逃避するように、妄想世界では、明るくフレンドリーな別人格の私となって生きていた(脳内でだけ)。
その妄想の中で、一番 輝いているのは、学生時代から片思いだった同級生のイチくん。10年も片思いを拗らせていた。
そんなある日、ヨシカは、別部署の男子「二」君から交際を申しこまれた。
タイプじゃないし、デリカシーがない性格だし、やることなすこと気が効かないし、つい イチと比べてしまうヨシカ。
しかし、同窓会で数年ぶりに再会したイチが、全くヨシカの名前を覚えてなかったという現実にショックをうけ、一気に妄想から醒めるヨシカ。
現実はしがないOLで、友達も彼氏もいない自分に、悲観しまくるヨシカだが、
実はその悲観的な世界だって、ヨシカの被害妄想に過ぎず、現実にしっかり向き合えば、自分を心配してくれる友達も、不器用ながらに自分を好いてくれてる「二」の存在もある。
そんなことに、ヨシカが気づけるようになった…かな？…という、ヨシカの脳内成長劇。
