調伏系V魔虚羅

コロンバスの調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

コロンバス(2017年製作の映画)
4.8
講演ツアー中に倒れた高名な建築学者の父を見舞うため、モダニズム建築の街として知られるコロンバスを訪れたジンだったが、父親との確執から建築に対しても複雑な思いを抱いており、コロンバスに留まることを嫌がっていた。地元の図書館で働くケイシーは薬物依存症である母親の看病のためコロンバスに留まり続けていた。ふとしたことから出会った対照的な2人は建築をめぐり、語り合う中で次第に運命が交錯していく。
モダニズム建築の宝庫インディアナ州コロンバスで出逢った、極めて対称的な二人の男女。その二人を繋ぐ建築という名の芸術。途絶えぬことを知らない本作の完璧なまでの映像美は、まるでコゴナダ監督から建築へ送る恋文を綴ったかのような静謐なる美しさ。あなたと見るからこそ好きになる無機質な風景、そんな規則正しいバランスの保たれた風景の中でこそアンバランスに揺れ動く、二人の心の葛藤が活きる。
調伏系V魔虚羅

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