沈黙は金、雄弁は銀。
話が出来すぎだなんて分かってる。現実はこんなに綺麗に収まらないことも知ってる。でも心を揺さぶられずにはいられなかった。
自分のバックグラウンドにも重なるものを持ち合わせていた主人公に感情移入してしまった。小さな頃はお喋りが大好きで、周りの大人や友だちにはあれやこれやと話していた。けれども大人の一言で心を塞ぎ、体にも変調をきたしてしまった。言葉は重い。
高校生の友情と恋愛、複雑な親子関係にもかかわらず、陰湿なシーンがなく良いとこどり感は否めない。でもこれは映画作品だからそれもありだと思う。
またこの映画の最大のミソは、芳根京子の迫真の演技が苦しみや喜びや悲しみを物語っているところ。メッセージアプリでのコミュニケーションが主な描写だけども、彼女の表情や言動にはひどく心を動かされた。
またミュージカルの出来映えが良い意味で高校生レベル（笑）なのも親近感を覚えたので良かった。あ、しまっちょも良い味出してたよ。
決して皆さんの評価はそこまで高くはないけど、私にとっては大傑作。観ながら何度も涙してしまいました。
