水野統彰

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書の水野統彰のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ペンタゴンペーパーズとは1945年から1967年までの米国がベトナムへの政治的及び軍事的介入について記した文書。

1971年、ニクソン大統領政権下で作成された。
フランクリン・ルーズベルト大統領時代のフランス領インドシナ時代に始まり、J.Fケネディ、リンドン・ジョンソン大統領の政権下におけるインドシナ政策とトンキン湾事件などの連邦政府の秘密工作を網羅している。

ベトナム戦争へ泥沼に引きずり込まれていく様子が文書からうかがえる。

当初このペンタゴンペーパーはニューヨーク・タイムズによって掲載され一大スキャンダルとなった。

その後ワシントン・ポストも同様の文書を入手し掲載すると、

ニクソン大統領は司法省に命じて掲載の撤回と文書の返却を求めた。

ペンタゴン・ペーパーズそのものに重大な機密情報はないものの、戦時中にこのような情報漏洩がされると政府の信頼が失墜し安全保障に脅威を与えるとみなしていた。

裁判の一審でニューヨーク・タイムズとワシントン・ポスト紙が勝利すると裁判は最高裁へともつれ込むが、最高裁でも6対3で報道側が勝利し、報道の自由が勝利した判決となる。
ニクソン大統領はその後のウォーターゲート事件で米国史上初めて辞任した大統領となる。

ウォーターゲート事件
当時の野党である民主党本部があったウォーターゲート・ビルに何者かが侵入し盗聴器を仕掛けようとしたが、警備員に見つかり通報された後逮捕された事件。
のちにこの犯人がニクソン大統領再選委員会のメンバーであったことが判明。
その後ワシントン・ポストの暴露によってこの事件にニクソン大統領の政権内部が深く関わっていたことが発覚した。
また、この事件に関する一連のニクソン大統領の肉声が記録として残っておりホワイトハウスが事件のもみ消しに関与したことが明らかとなり、世論からの批判が高まる中、ニクソン大統領の辞任が決定した。
水野統彰

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