せきもと

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のせきもとのレビュー・感想・評価

4.5
こんなに映画館で充足した気分になるのは珍しい
とってもバランスがいい映画
政治や経済を絡めつつ武力なしで自由を確保する痛快な逆転劇

1950-70年代のアメリカを舞台にした実話に基づく映画なのでごりごりの男性社会。その中に突如ぶち込まれた女社長のキャラがいい。様々な問題が同時進行してひとつの終着点に向かうのが好き。
はじめ株主公開の会議に出る時は女性をかき分けて階段を上がりその先には男性のみの会議室が待っていた。終わりには大きな決断を自分の意志で行い女性の見守る中階段を降っていく。こうした象徴的なショットやシーンが多い。他にもニクソン大統領は決まって窓越しだったりと画面が意図で溢れている。かといってそれらが孤立せず、全体の感情の流れも弛むことなく終わりに向かって満ちていく感じが良い。
要所要所に女性が大きな役割を持つし、かといって男性が無視されたり虐げられたりするような映画ではなく、その点でもバランスがよかった。
ジャーナリズムですよジャーナリズム