泥沼のベトナム戦争真っ只中の1971年アメリカ、ベトナム戦争はアメリカに不利だと分析した国防総省の機密文章が内部からリークされ、ニューヨークタイムズ紙がスクープを出すがニクソン大統領に国家機密の漏洩だとして起訴され記事を差し止められてしまう。
その機密文書を手に入れたワシントンポスト紙の編集長ベン・ブラッドリーは起訴も覚悟で記事を出そうとするが、発行人のキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は記事を出すのを止める経営陣と板挟みになる。
独裁的な大統領やフェイクニュースの溢れる現代に、この映画はスピルバーグから骨太な記者たちへのエールだと思う。
それのみに留まらず、会社経営や記者が男社会だった時代の女性問題を見せる事で、今の女性問題を考えさせられる。
その器用さにスピルバーグってやっぱり天才と唸ってしまう。
ラストシーンが、その後のウォーターゲート事件を暴いた、ワシントンポスト紙の若い記者たちの地を這うような地味な取材を、アクションとして描いた傑作映画「大統領の陰謀」のファーストシーンとカットまで同じで繋がっていてゾクゾクした。
「大統領の陰謀」が無ければ無かったかもしれない映画。合わせて見て欲しい。
ジャーナリズムを志す全ての人は見なきゃいけない1本!