バン

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のバンのレビュー・感想・評価

3.5
久しぶりにスピルバーグの映画を見て熱くなれた。
日本人としては羨ましいの一言しかない内容で、監督はトランプ政権を意識して撮影に入ったみたいだけど、まるで日本に対する皮肉にも感じた。

前半の社主(メリル・ストリープ)と編集主幹(トム・ハンクス)の会話で、報道と経営は厳然と区別されており、たとえ経営者でも報道内容には一切口を出せないというジャーナリズムの原則がはっきりと示されるところがこの映画の核心だと思う。
政治部の記者出身の人がそのまま出世して社長になるような日本のマスコミには、そもそもこの映画で描かれているようなことは起こらず、圧力がかかって終わりと言うことになってしまう。悪名高き日本の「記者クラブ制度」も報道の独立というジャーナリズムの原則がないことが原因なのは明らか。

そういう意味で自分は日本の報道批判としてこの映画を見たし、日本人こそ見るべき映画と思う。
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