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交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1の味噌汁のレビュー・感想・評価

2.5
〝エウレカセブン〟としての高度な進化①

 ‘05年に公開されたTVシリーズを皮切りに’09年には映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』や、続編となる『エウレカセブンAO』が’12年に公開された。
本作から始まる3部作は、3度完結した物語を再び構築するリブートが行われている。悪くいえば〝擦りに擦った作品〟で、更に出汁をとろうとしている様にも見えた。
とはいえファンとしてはエウレカの世界観を再び楽しめるというのは、正直な所ちょっと嬉しかったりもする。
作品としてのアイデンティティを搾り尽くした状況で、製作陣は何を生み出すのか。果たしてこの先に何が描かれるのか、といった点はポイントかなと。

☆TV版で描かれなかったネクロシス作戦

 本作唯一の見所といっても過言ではないのが、冒頭30分の新規映像。ここでは今まで描かれてこなかったエウレカセブン本編前の出来事が描かれる。若かりし頃のデューイやホランドの面々も登場し、本作の要であるビームス夫妻に起きた不幸もより詳細に補完されていた。アドロックとエウレカの会話がメインで描写されていたが、この場面が後ほどキーポイントになるのだろうか。
 
 基本的には総集編が主軸となっているため、新規参入し易いつくりになっている。しかし、作品全体の総括と考えるとやはり履修は必要なようにも感じる。またホランド役の藤原啓治氏の逝去によって欠けた穴の大きさを感じる作品でもあった。ホランド=藤原啓治と紐付けがされている中で、如何にその紐を解くかも重要になってくるだろう。
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