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アネットのssのレビュー・感想・評価

アネット(2021年製作の映画)
4.6
カラックスの表現力にただただ圧倒された140分。アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールの名演がこれを支える大傑作。カラックス完全に独自の文法を手にし、ミュージカルというメタ的な映画フォーマットの中に自分なりのメタ的表現を織り交ぜる。特にアネットの描写の仕掛けは、『オッドタクシー』的な展開で観客を掻き乱す。舞台上の演出では、舞台に立つアダム・ドライバーの心理描写をミュージカルの文法の上で観客との呼応という形で表現してみせた。オープニング、エンディングのメタ演出では本編の虚構にさらに虚構の視点を加えることで、アネットの描写事態に虚構としての納得性まで与える。カラックスは虚構の虚構という概念を真新しく見せることに成功したのでは?何度でも見返したい。

2022 #17
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