ヒラセシオ

アネットのヒラセシオのレビュー・感想・評価

アネット(2021年製作の映画)
4.5
「なぜコメディアンになった?」

「伴奏するのは世界的な指揮者になるための足掛かり」
(それでは世界的な指揮者になりたい理由は?」

金と名声は炎みたいなもので、燃え上がっても最後は灰になる。

上の問いは凄く身に染みた。
自分のやっていること、やりたいことの信念が弱いと、炎に呑まれあっという間に灰になってしまうのだろう。

レオスカラックスはやはりカッコいい!
確かホーリーモーターズの時のインタビューでは、「映画を作るときに観客のことなど微塵も考えたことがない」
こんな感じのことを言っていたが、今作のアネットは、少し観る人のことを考えているように思えた。
(冒頭のメタ映画であることの強調は、ホーリーモーターズがさりげなくほのめかしていたことに比べると分かりやすくしているし、映画に出てくるアイコンは今っぽくポップになっていた)

独学で映像を学んだカラックスだからこそ、彼の唯一無二の映画空間は、絶対に映画館で見るべきだと思う。
(自分も独学でやっていることが多いので、凄く励みになる。)

それにしても、オープニングのシークエンスは鳥肌もので、身体がスパークした。
ヒラセシオ

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