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アネットのtomohitooguroのネタバレレビュー・内容・結末

アネット(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤からアネットが産まれるまでがめちゃくちゃ楽しいし音楽も良い。特にヘンリーのスタンダップコメディシーンは最高に好き。映画冒頭で拍手とか声援は心の中でお願いってセリフがあったけど納得した。体が動いちゃうような良さだった。

アネットが産まれてすぐにヘンリーはBADモードに入ってしまったが、子供産まれての幸せ絶頂期が描かれなかったのは残念。逆に初めからアネットを操り人形のようなフォルムで表現することによって、ヘンリーがアネットに対して歪んだ感情を持っていることの直喩になっていたわけだが。あれは映画制作としての都合だけでなくちゃんと最後に人間としてのアネットを登場させることでヘンリーの感情の変化も表現していて良いと思った。

指揮者を殺すシーンは物語上必要であっても納得がいかなかった。殺す理由が弱いような。アダムドライバーがデカすぎて、最後の決闘裁判でも思ったのだが、ガタイのいい奴が女性や小柄な男性を一方的に痛めつけるのは気をつけないとフィクションでも滅入ってしまう。今作では指揮者を殺すシーンが嫌だった。

全体的にはとても素晴らしい映画だったしエンドロールまで楽しめた。
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