自宅で配信で観ていると、少しダレたストーリー展開には集中が途切れてしまいがちなんですが、この作品は最後まで目を見開いて完走しました。
ヤサグレた仕事のない弁護士の導入から、すぐに場面は事故現場に変わり、なぜか偶然居合わせた少年が犯人に仕立て上げられたことがわかります。
弁護士が、真実の追求に立ち返り、少年と心を通わせていく様、証言のたび15年前の再現シーンが挟まれ、知らなかった事実が明らかになっていく、そのバランスとテンポが見事で飽きさせません。
カン・ハヌルの映画を最近立て続けに見ているような気がしますが、彼の、うつろな表情、怒りの表情、純粋に笑う表情、どれも少年の心の内を表していて魅力的な人物になっています。
再審の中身は明かされず、エピローグに、実際の話であることと、裁判には勝ったことが知らされます。映画としてはここで切ることで冗長になることを回避して、スッキリと終わったと思います。
韓国は、実際の事件を映画にしたものが多いですね。
司法のあり方を問い、ねじ曲げられた捜査が人の人生を奪うことの怖さを見ました。