kuzira

リバーズ・エッジのkuziraのレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
4.6
この世界の生き方=逃げ方なんて
こうやって僕らは大人になっていくのかも

人の生きる術ってこの世界に存在する
人間の数だけ方法はあるはずなのに
結局、孤独とか焦燥とかに蝕まれてしまうと
自分を見失い他人をなぞるように枯渇しきって
似たような消費される人生に辿り着いていく

汚いものが汚い形で残り続けるのは簡単で
汚いものをもっと汚くするのも簡単で
ただ生きて自分を殺し続ければいいだけで

綺麗なものが綺麗な形で残り続けるには
この素晴らしくない世界を見過ごせば良いだけで

息がつまるような窮屈で閉塞的な画面は
若者達の叫びを遮断し醜さを露呈する


生きることって感じること
生きてる実感だけを渇望すると
感じる事から拒絶され
生きてる事に何も感じなくなってしまう

鋭く尖った刃ほどいざとなっては折れやすく
容易く得られる欲望に逃げ切ったところで
何も残らず傷が増えていくことを皆んな知ってる

剥き出しになったナイフと、
人間が誰しも持った隠れたナイフが
見えては消えて隠しては現れてを繰り返す


だからこそ死んでしまった死体の方が
何も望まず、何も起こさず、何もない
その何もないにきっと美しさを感じてしまうのだと


生きていることに何も感じない
生きていることに何も欲がない
人間離れしてて、宇宙人みたいで
山田にとっての宇宙人ってハルナだったりしたのかなぁって思ったり
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