SatoshiFujiwara

リバーズ・エッジのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
3.6
映画『ヘルタースケルター』は、嫌いじゃないんだけども岡崎京子的な表現内容と表現手段/蜷川実花の指向性がズレていてあまり岡崎京子的ではないと思うが、この『リバーズ・エッジ』は原作に相当忠実で、その作品世界、精神世界をかなり上手く表現していたんじゃないか。岡崎ファンは多分幻滅しないと思います。

ハルナを始めとして登場人物のモノローグで語られる内容をインタビュー形式にして語らせる(聞き手の質問が微妙なのは苦労が忍ばれるが…)、映画が始まってすぐに後半のストーリー展開に意味を持つある「事件」をフラッシュフォワードで一瞬見せる、または後半でのウィリアム・ギブソンの詩が登場する箇所を変更し、かつそれを映画的に処理したり、などの工夫は概ね成功していると思いましたね(まあしかし、音読からは詩句の意味が分かりにくくなったりブッキッシュでなくなった分イマジネーションの拡がりが狭められたきらいはある)。ハルナ(二階堂ふみ)着用のモンキーズのTシャツとかね。 役者と役のイメージも合ってたし。俺も岡崎京子ファンのはしくれゆえ、最後のオザケンの歌が流れ出した途端に涙腺が緩んでしまった。
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