幽斎

ネクソスの幽斎のレビュー・感想・評価

ネクソス(2014年製作の映画)
2.0
レンタルは無くネット配信のみ。私が観たのも出張先のホテルのVOD。この作品1.0評価した「森の中のイーラ」と同じ監督作品。意味不明過ぎて批評を放棄しましたが、アレを見ると此方は随分と分り易い。テーマとしては、不当な目的の為に市民がマスコミに依って操作される近未来SF。原題「Nexos」は訳すと「繋がる」と言う意味。

あらすじは、メディア社会学を学ぶアーネ。いつものようにテレビを見ると、出演者の男が明らかにアーネに向かって話しかける。その日以来、自分がテレビ番組と思った景色が本当の世界で、この世界がテレビ番組なのでは、という考えに獲り付かれる

メタ構造の転換と言う意味では「トゥルーマン・ショー」が有名ですが、本作はテクノ・ミュージックを多用する事で、観る側もトランス状態に置きたい趣旨は伝わる。テレビと現実と言えば「マックスヘッドルーム」知ってる人、居るかな?、インタラクティヴなTVシリーズ最高でしたね、1987年放送。つまり「メディアに踊らされるな!」と言うテーマ自体が幾ら何でも古過ぎる。今は政見放送で「不倫ですよ、路上ですよ、カーセックスですよ」と訴えるユーチューバー議員が居る時代。ラストの描き方も「森の中のイーラ」と同様に異様な世界を「怖い」と感じさせず「意味不明」と思わせる時点で、駄作と言われても仕方ない。

「森の中のイーラ」と較べ論評できるだけマシ。よくホテルで有料で流すよな、と哲学的な気分のまま夜が暮れました。
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