さっ

蜂の巣の子供たちのさっのレビュー・感想・評価

蜂の巣の子供たち(1948年製作の映画)
5.0
日本の超絶ネオレアリズモ。ただし優しい。ロングショットの数々が圧倒的に凄い(階段下の少年が上にいたお姉ちゃんを見つけたけど、誰にも言わずに皆と去っていく、あの俯瞰!そして山の斜面!)

どこまでも縦に延びる道を行く子どもたちに寄り添うキャメラ。一人取り残されたり遅れたり、わっと散ったりの彼らの挙動が素晴らしい。子どものアイレベルで彼を真正面からとらえるキャメラが、子どもを自立した人間として尊厳をもって描く。大人との切り返しでもキャメラは決して子どもを見下ろさない。見下ろさないといえば復員兵の青年、本当にあんな人いたらいいな……

「いつまでもおじさんに付いてきたってしょうがないじゃないか」なんて言われても、桟橋じゃあ一緒に引き返すしかないよね。オジキが踏切で汽車に行く手を阻まれるショットとかも地味にすごい

『千と千尋の神隠し』の千尋が床の雑巾がけをするシーンで、一人だけ遅れていってしまう(千尋はまだ往路でみんなは既に復路)のが印象的だったが、本作の塩田で周りの女たちからテンポがずれていく子どもはそれを思い出させて微笑ましかった

義坊が死んで泣く子の演技はどうやって引き出したんだろう。キアロスタミ的にやったのか?
さっ

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