ともっぴん

境界線のともっぴんのレビュー・感想・評価

境界線(2017年製作の映画)
3.7
人間の存在理由をあなたは何に求めていますか?そもそも理由はありますか?

極限(と思われる)状況になってくると、本当にその人の思想、信仰、価値観で生き様が分かれてくるんだなと。

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現実をありのままに切り撮るフィルム写真家の男と、神という見えなき存在を信仰する教会の娘。
冷静に背景を捉えると、とても対照的なカップル。

アイスランドという自然豊かな地、何もない地が舞台になってることで、より世界観、誰もいなくなったという設定が表出されている、浮かび上がってくる。

なんでもやり放題、物欲を満たす生活で得られるものは刹那的、限界あるなと。

彼女が自分で運転して氷河へ行ったのはただ行きたかった以外になにか真意はあったのかな。
それ以降、彼女の本当の笑顔は無くなっていた気がする。

彼があのオーロラの写真のメールを送っていなかったら、と考えてしまう。
彼女がその写真に自分の写真で最後のメッセージを返す様子はなんとも皮肉的。

途中で出会ったおじさんと彼のやりとり
「3人でサバイバルしよう」
「いや、1人と1人と1人だ」
が後に響く。
カップルだとしても人は孤独、1人の存在。