原題「The Dinner」というだけあってオープニングでは豪華な料理が目を惹く
テーブルの上に並んだ皿に余計な仕掛けがなければだが・・
反りの合わない兄弟が妻と共にテーブルを囲む
立場ある親たちは息子たちの尻拭いに奔走するため
予約の取れない店で「理想的」な話し合いを始める
何もなかったことにすればいい・・
息子たちは親の良いところも悪いところも知っている
この親なら「なかったことにする」だろうと
「わたしたちの家族はパーフェクトだ」と自分に言い聞かせるほど
綻びが浮かび上がってきて痛々しいのである
またも携帯電話・YouTube・SNSが・・
ある意味では全てを「一瞬にして」消してくれるのだろう
リチャード・ギア(兄:スタン)の地位と名声
スティーヴ・クーガン(弟:ポール)の心の闇
兄弟だから助け合うことを拒むのか?
心のあらわしかたが違うから
理解して支え合えると信じたい
父親は悩みながらも軌道修正を計るが
母親は常に体を張って挑む覚悟ができている
険悪なムードの中でデザートが運ばれるが
女たちはデザートを拒み罵るのである
心優しき人間に潜む本性が露呈され
正に何とも言えない嫌な気分にさせてくれる
人間は親子であろうと個々の人格を持っている
問題児の息子を演じるのは
あのチャーリー・プラマーなのだ