juri

ピンクのjuriのレビュー・感想・評価

ピンク(2016年製作の映画)
5.0
率直に言って、驚きました。
何がどうしてこんなに認識の違いが起こるのかというのが「女性が安全に生きるためのマニュアル」という弁護士のキャッチーなセリフでよくまとまっている。
シャーリーズ・セロンらが出演してる「スキャンダル」と同じレベルで分かりやすかった!「スキャンダル」は2019年の映画ですが、こちらは何と2016年公開ですからね。

インドは「離婚すると女性が殺される国」とか「若い女の子が教育も受けられずおじさんと結婚させられる国」とかって一部のニュースからの固定観念で見ていた自分に気がつきました。
まあ貧富の差は日本とは比べ物にならないレベルでしょうしカースト制もありますが、少なくとも製作陣はリベラルな思考なのですね。「ポリコレがうるさいから見た目だけちゃんとしておこう」っていうハリボテなクオリティには見えなかったです。

いきなり日本の話をするんですが、なんちゃら監督ってあるじゃないですか、そろそろシーズン2が配信予定のアレです。別に見たい人は見ればいいと思うよ私は見ないけどね、くらいに思ってましたが今作を見たらあれが過去の栄光を引きずっためちゃくちゃ恥ずかしいコンテンツな気がしてきた..。TVタレントが女性タレントの外見に厳しかったり、風俗通いを恥ずかしげもなく公言したり、そういうのをまあ仕方ないか〜ってだらーってゆるーって許すことがいつの間にかレイプに繋がるのかもしれないですね。日本をディスりたいわけではなく、確かに日本人の性に対する執着は独特だし一つの文化だと思うけど、そこに加害性はないのかって疑っていくべきだって思ったし、もし被害者がいるなら価値観をアップデートして作り直すべきですよ。開き直ってる場合じゃないです。

結局弁護士って、その場の空気をコントロールできる人が強い。言葉のチョイスも大事だし、少し演技力も必要。裁判ものとしても今作は面白かったですよ。
juri

juri