◆あらすじ◆
インドのニューデリーのマンションで一緒に暮らすミナール、ファラク、アンドレアはコンサート会場で3人の男性と知り合い、食事をすることになった。しかし、その後、レイプされそうになったミナールはその男性をビンで殴り、自宅に逃げ帰った。殴られた男性・ラジヴィールは政治家の甥で、ミナールたちを執拗に脅迫し続け、挙句には殺人未遂でミナールたちを訴えてしまう。
◆感想◆
かなり陰鬱な展開で心にズシンと残る作品になっており、インドでの女性の立場の弱さ、家柄の問題など様々な側面を描いていてとても興味深い作品になっています。
前述のあらすじに記載した出来事を直接的に描いたシーンがラストのスタッフロール時にしか出てこないため、各登場人物たちのセリフなどから察するしかなく、圧倒的にミナールたちが被害者であることは分かるのですが、細かな部分が分からずモヤモヤする展開が続きました。
ミナールたちは3人の男性を脅迫で訴えようとしますが、警察が全く役に立ちません。さらに3人のうちの1人が政治家の甥ということもあって、ミナールたちを警察は責め立てます。これが非常にムカムカして腹が立った。
そんな中、ミナールたちと同じマンションに住む老人ディーパクが弁護士として手助けに入ります。このディーパクの人柄が分かりにくく、不安を感じました。
そこから法廷劇に入るのですが、ここでも検察の喋り方がもの凄くムカつく。法廷でもミナールたちは侮辱の嵐に耐える展開で腹が立って仕方が無かった。このあたりの出演した俳優たちの演技が真に迫っていてとても心をかき乱されました。
かなり疲れる作品ではありましたが、とても面白かったです。インドの社会的な問題に踏み込んだ作品になっていて、製作者側の意気込みが伝わってきました。
鑑賞日:2023年8月13日
鑑賞方法:CS ムービープラス