【貧しくも逞しくも日々は変わらず】
ネフリにて。2012年のインディーズ系?ヒンディー映画。インド映画では確固たるジャンルとしてある、スラムで生きる少年の物語。
DVな父、健気だが弱い母、悪友と喧嘩、女子へのストーキング(インドならでは!)、盗みと悪戯、行方不明兄弟…定番要素を散りばめ、日々それは変わらない、という物語に、あまり心は動かない。
が、おそらくゲリラ的に、さらに即興で撮影したと思われるムンバイ各地ロケは素晴しい。
くすんでいるがカラフル。路地裏、濁るも憩いの川、雑多な露店、そして夜の海。現地を知らないから断言できないが、あまり添加物のないムンバイが捉えられている気がする。そこがいちばんの魅力かな。
撮影方法ゆえか、タッチやトーンがばらつく。しかしそれが“活写”につながるところもある。その乱暴さが好きになれれば、人によってはいい映画なのかな、とも思う。
これくらいの内実で、76分という尺は、忙しい身には嬉しいものです。
<2019.4.11記>