つきか

心と体とのつきかのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
5.0
生と死、そして感情と身体とのつながりについて、考えさせられる作品。
屠殺場で流れる牛の血溜まりと、自らの手で自分の体を傷つけ流れ出た血が滴る様子を見て、命の重さを感じた。血はいとも簡単に出てくるけれど、その血が人間から出てくる時、自分でも他人の力でもどうしようもなくひたすら流れ続けてしまう時もあれば、なにかの感情が動いたり、なにかしらのきっかけがあって、それを止めようと必死になって、止められる時もある。
作中の二人は、「夢」による接点があった。夢の中で二人は二匹の鹿で、その二匹は人間的な言葉は出さないものの、行動で自分の感情や繋がれた縁を表現する。
体が動物であれ人間であれ、感情は必ずしも付随する。そしてせっかく人間として生まれたのであれば、言葉を発せられるのであれば、感情の出し惜しみはしたくないな、と思った。自分の体を傷つけたくはないし、血を流れっぱなしにもさせたくない。ならば、私は素直な心をもって、感情をできる限り表現して、生きていきたいと思うよ。
この作品は色々と語りたくなるなあ。
つきか

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