心と体との作品情報・感想・評価

心と体と2017年製作の映画)

Teströl és lélekröl/On Body and Soul

上映日:2018年04月14日

製作国:

上映時間:116分

3.9

あらすじ

ハンガリー、ブダペスト郊外の食肉処理場。代理職員として働くマーリアはコミュニケーションが苦手で職場になじめない。片手が不自由な上司のエンドレは彼女を気に掛けるが、うまく噛み合わず…。そんな不器用な二人が急接近するきっかけは「同じ夢を見た」ことだった。恋からはほど遠い孤独な男女の少し不思議で刺激的なラブストーリー。

「心と体と」に投稿された感想・評価

リコ

リコの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

素敵映画でした 空気感の作り方がうま…牛 グロ…

ふたりの気持ちの変化をじっくり丁寧に追っていて、全体通して山場みたいのは無かったように思ったけどしっかり気持ちに寄り添うことができた気がする 純度が高すぎて観てるこっちが甘酸っぱくなってしもうた
だからこそ逆に今まで丁寧に丁寧にふたりの関係を描いてきたのに、最後でもう?!急にセックス?!と思ってしまった 人と触れ合うことについて段階付けて練習してきたのにいきなり高度すぎないか?!となってしまった〜… いくら想いの通じた勢いがあれどもうすこしステップが欲しかったなあ〜
とはいえラスト以外は概ね満足していて、マリアちゃんの成長を見守れてよかったなーとおもう
特に中盤でお互い夢の内容を書いて読み合ったときのマリアちゃんの笑顔、めちゃくちゃ可愛かったし わたしがドキっとしちゃったもんね…

カメラワークとか画面の構成も直接的じゃないことが多くて雰囲気を出していたなとおもう 全部は理解できてないけどそれによっていろいろ示唆していたのではないかと思っています


個人的に、カウンセラーさんの胸を見てしまったシーンで、ちょっと気持ち悪く思ってしまってボスのこと好きになれませんでした… すまん
のどか

のどかの感想・評価

4.1
ずっと幸福感に包まれながら、観ていられる映画。くすりと声に出して笑えるようなユーモアがありつつも、それが押し売りではなく、とても優しい笑い。

繊細な映像表現で、観ていると感覚が鋭くなるような気がした。

完全な善人も悪人もいない、人間描写が心地良かった。主人公に共感した。「規則通り」正しくしても、それが正しさにならない世界は息苦しい。
pitasii108

pitasii108の感想・評価

2.4

このレビューはネタバレを含みます

んー、ファンタジーかと思って観ていたけどそこまでガッツリのめり込める訳でもなく、主人公の男の元カノ?への扱いとか、アプローチの仕方が気持ち悪い印象だった。お国柄特有のまったりした映画の撮り方なのかな。

主人公の女も女でトリッキーな性格が可愛げもあるんだけどお風呂で手首スパーはぶっ倒れるかと思った…
夢の中での描写がもっと意味のある展開なら良かったなと思う。
nogsing

nogsingの感想・評価

5.0
人物設定、場面・風景描写、心理風景、ことばの選び方。すべてが僕の趣向に一致していて、奇跡のような作品でした。

そこにあるのは人の純粋さとやさしさ。汚れ、欠けた部分も見せることで、逆にその純度を際立たせている印象です。

完璧な人間などいない。だからこそ、欠けた部分を誰かと補い合いながら人は生きる。当たり前だが、実はなかなかに難しいこと。

そんなことを飾りなく語りかけてくれた、素晴らしい作品でした。これほど好みの作品は、数年に一本レベルです。
不器用な恋好き好きボーイズとしては諸手を挙げて歓迎したい映画。特にマーリア(アレクサンドラ・ボルベーイ)の人付き合い下手、恋愛下手の描写が良い。会話のひとり反省会を開いたり、逆に会話のシミュレーションを行ったり。その極致としての浴室のシーンは言葉にできない感情が押し寄せて泣いてしまった。

マーリアがエンドレ(ゲーザ・モルチャーニ)と夢を共有していると判明した瞬間の笑顔で泣いてしまった。お前、そんな良い顔で笑うんかい。

映像も静謐な雰囲気で良い。音楽の使いどころも良い。構成も良くて、序盤ドキュメンタリー、中盤サスペンス、終盤ラブストーリーとすることでダレることなく映画が進んでいく。

屠殺シーンの生々しさというか血の鮮やかさが昔観た『ある精肉店のはなし』よりもあってなんだか逆に非リアルな感じがした。多分こっちは蛍光灯の下であっちは薄暗い場所でやってたからだと思うけど。

マーリアが会話のシミュレーションをする時にエンドレ役をさせている人形が左手ではなくて右手が失われている点など考察要素も多くて、これを書きながらも色々と考えている。観終わったあとも長く楽しめるし、もう一度観たい気分。マーリアの部屋にボンゴがあるのも気になった。
山椒

山椒の感想・評価

-
人間の「傍にいる」は近すぎる ふたりは鹿みたいにずっと離れて傍にいた マーリアは途中まで夢の中の鹿や屠殺されていく牛と同じいきものだった
観ている間ずっと感じてたどきどきは 血とか命とか死とかと、それらと同列に並び立てられた人の愛にだったと思う
壁にペッタリ置くマグカップ。
左右で長さの違う爪。
くすんだ服。

筋書きは仄暗くとも「暗い話」という印象をあまり受けないのは画のなかに光がたーくさんあるからなのかな。映像として残すことの意義と尊さをひしひしと感じた。

浴室でLaura Marlingの”What He Wrote”を流すシーン(大好きミュージシャンの大好きソング!)はこれまでみてきた数あるシーンの中でも特に切なくて綺麗だった。
浴室のエコーが室内楽のような響きを加味していてその内省的さ故に心にズッドーンと響いて、これ以上パーソナルな描写というものがこの世にあるもんかとさえ思えた。

今年1番!
私がメンヘラ思考だからかお風呂場のシーンが心痛む
主人公?の女の人嫌いじゃないなー
音が心地いい
映像の美しさも楽しめる映画

映画見る前にヒレカツ?食べたからヴッ!!ってなった
配役、演技、脚本、映像、
全てで素晴らしかった。

最初はドキュメンタリー、その後サスペンス、その後ラブストーリーと、テーマに沿った感情の起伏が笑いとリアリティを持ってしっかり表現されてあるのが非常に好み。
そのシリアスさと笑い、喜怒哀楽の振れ幅、先の全く読めない展開は「ルアーヴルの靴磨き」や「瞳の奥の真実」などを思い出した。

ただ、見る人によっては人物の背景が描かれていない部分と若干痛寒いキャラクター、夢に対するしっかりした説明などで嫌に思う人もいるのかも。
とか思って考えたらマイナス0.1。

完全に屠殺のシーンがあるので肝の弱い人は絶対に見ない様に。
pecoo

pecooの感想・評価

4.8
森(林)、雪が積もっていて、草も少なめ、
二頭の鹿(マーリアとエンドレ)以外に動くものはいないけど、
小川のせせらぎが心地良く録られていて、あたたかい雰囲気。
邪魔するものがいなくて静かで穏やかだけど、逆にお互いがいなかったらほんとうに一人ぼっちで寒々しい風景になるのかもしれない。

マーリアは、融通が利かなくて、感情表現が恐ろしく苦手だけど、記憶力に突出していて、徹底して冷静で合理的。
ただこういう不器用さや能力の凹凸って人間誰しも似たり寄ったりだと思う。
だからこそ、彼女の誰かと心を通い合わせたいって命懸けの想いに涙が出る。

CDショップの女の店員さんに、恋をした時の曲なら私のお気に入りを視聴してみる?
って言われて、(視聴しないで)買いますって言うマーリアはこれが人と分かり合える何らかの手がかりになるかもしれないって、すごく期待しつつも、やっぱり分からないかもなって軽い失望感もあったように思う。
もちろん言葉はすごく大事だけど、お互いの表情や雰囲気を読み取れたと感じられた時って、本当に感動的だから、このために生きていると言ってもいいと思うけど、その感覚さえ主観に過ぎないのかもしれない。

マーリアが最初、食堂に入ってくるシーンで、彼女は目が見えないのかな?と感じた。
子供の頃からの人付き合いの経験などで深く傷付いて、他人に対する強い警戒心があるのかなと思う。
感情のやり取りって、お互い見て見られてから始まると思うし、目ってほんと雄弁。
マーリアの視線は一見冷たく無感情に思えるけど、その真意は真摯さのかたまりのように感じるから彼女の眼差しを見ていると泣きそうになる。

数年前(?)に女性と付き合うのはもう終わりだと決めたエンドレの、やっぱり人と心を通わせられる付き合いをしたいという真摯な欲望のような気持ちが、クラーラ(精神科医)の胸にカメラがフォーカスすることで表現されているようで、緊張感がありつつどこか心地良さのようなものを感じた。
クラーラの、若干エンドレをからかうような表情や話し方も魅力的。
エンドレが自分の気持ちの素直な柔らかい部分を必死で隠そうとする様子も微笑ましい。

疲れました。
寝ましょう。
と言うマーリアはこれまでで初めて見せる柔らかい表情になっていて、人が生きる意味ってこういうことなのかなと思った。
>|