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ザ・フォーリナー/復讐者の百合のレビュー・感想・評価

ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)
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移民大国イギリスという感じで警視も有色人種ならば主人公も中国人という仕掛けで、しかし実はメッチャ強いこの主人公がこうまでスルスルと動けるのは一見老いぼれたアジア人にすぎないからであり、現代イギリスの構造のようなものも含ませた作品(というかそもそも原題がforeigner)。
ジャッキーチェンの復讐の対象である北アイルランドの副首相は一幕まで本当にテロを非難し犯人探しに奔走しているように見えるので、観客は主人公の復讐心に偏執的なにおいまでをも感じてしまう(ヤードやロンドンの政治家の部屋とくらべて明るく近代的な庁舎の演出もそれに貢献している)。本当にちょっと危ういなこのお父さん…と感じ始めた頃から主人公の直感は正しかったことが明かされていく。
この副首相は過去IRAの闘士だったことが作品序盤から取り沙汰されるわけだが、妻が部下に食事をつくるという演出がもっともそういった設定を補強できている。
ラストの、けっきょく大英帝国万歳に落ち着きそうな展開を血を流さずに変える終わらせ方はいいと思った。
IRA隠しキャラの女性が登場シーンでアイリッシュウイスキーをがぶ飲みしていたのであまり隠れていなかった。