EDDIE

わさびのEDDIEのレビュー・感想・評価

わさび(2016年製作の映画)
3.8
夢も希望も持ち合わせていない主人公・葵。わさびのように辛く、詰んだ人生でもその先に光を見出すこともできる。
芳根京子の透明感とハツラツ感、諦念の想いを乗せた演技に魅せられた。

両親は離婚、鬱病により寿司屋も続けることができない父、近い将来の生活保護認定…実家の寿司屋を継ぐしかないという詰んだ人生が見えた高校生の山野葵が主人公。
進路希望の面談では、先生に大学進学を諭されるも、そんなことは難しいと考える葵。

父と離婚した母は自分のところに来ないかと言い放つ。

周りの大人は無責任だ。
アンパンマンみたいに愛と勇気を届けることなんてできない。

わずか30分の短編映画。
2020年に『ソワレ』という素晴らしい映画を撮った外山文治監督の作品。
脚本も手掛けており、やや台詞回しに気になる点はありましたが、演出も含めとても巧いという印象です。
この監督の撮り方はすごく好きかもしれない。

学校の先生の無責任発言には萎えたけど、それも意図があってのことなんでしょう。
葵の小学校時代の野球の監督との再会。
この再会からの一連のシーンがとても良かった。
そこからの父とのラストシーン。わさび…乗せすぎじゃない?という思いはさておき、素晴らしい結びとなりました。

とにかく芳根京子の魅力が満点というほど詰まった作品。
映画としては足りないところも少しあるけど、芳根京子の魅力や演技としては最高級だと言えます。

※2021年自宅鑑賞100本目