わさびの作品情報・感想・評価

わさび2016年製作の映画)

上映日:2017年08月26日

製作国:

上映時間:30分

3.9

あらすじ

心の病を抱えた父を守るため実家の寿司屋「やま乃」を継ごうと決めた女子高生・山野葵と、その決断に戸惑い反対しながらも、彼女の人生を本気で背負おうとしない離婚した母・房子や周囲の大人達。そんな葵の前に現れた、彼女がかつて所属していた少年野球チーム「高山メッツ」の監督・梅田庄吉。粉雪が舞う静かな夜、葵は庄吉に野球の勝負を求める。ある事情で小指のない庄吉の投げるボールの軌道を、葵は子供の頃から「魔法」だ…

心の病を抱えた父を守るため実家の寿司屋「やま乃」を継ごうと決めた女子高生・山野葵と、その決断に戸惑い反対しながらも、彼女の人生を本気で背負おうとしない離婚した母・房子や周囲の大人達。そんな葵の前に現れた、彼女がかつて所属していた少年野球チーム「高山メッツ」の監督・梅田庄吉。粉雪が舞う静かな夜、葵は庄吉に野球の勝負を求める。ある事情で小指のない庄吉の投げるボールの軌道を、葵は子供の頃から「魔法」だと信じていた。この逆境の日々の中で、せめて魔法のような力を信じたい・・・老いた庄吉との真剣勝負は、葵に人生の苦みと哀しみ、そして新しい希望を与えるのであった。

「わさび」に投稿された感想・評価

dita

ditaの感想・評価

3.5
@第七藝術劇場
現実を使命として受け入れるのか、魔法の力で何かが変わるのを待つのか、自分の力でどうにか出来ることとどうにも出来ないことの狭間で揺れる芳根京子さんが素晴らしく、言えないけど言いたいことを表情と仕草でこれだけ表現出来るのは本当に凄い。
シン

シンの感想・評価

4.2
第七藝術劇場にて観賞。

芳根京子圧巻の演技。それに尽きる。新人女優なんて…って変に上から目線で観ようとしてた自分が恥ずかしい。短編映画でこの脚本は素敵です。ぜひ七芸へ!

p.s.
外山監督はすごくステキな方です。

このレビューはネタバレを含みます

こちらは内容云々も勿論でしたが、
それ以上に役者さんの力量に圧倒される作品。

終始台詞の無い1作品目とは変わって、きちんと台詞がありますが
台本に書かれている台詞よりも、台本に直接書かれていないであろう登場人物が「飲み込んだ言葉」の方が実は多かったのでは?と感じます。

今、この人は何かを言おうとした、でも言えなかった。

それを目の動き、唇の震え、瞬きなど細かな表現力で示す。

「伝える」よりも「伝わる」方が難しいと教わった事がありますが、芳根京子ちゃんの演技は間違いなく「伝わる」演技。
本当に凄いです。

あんなに若いのに、まだまだやりたい事は沢山あるのにその気持ちを閉じ込めなきゃいけない主人公。

鬱を患った父親への理解を示してはいるけど、一方で
父親の「何時に帰るんだ?」という質問をはぐらかして道草したり、進路についての担任との面談ではほとんど目を合わせないなど
現実と向き合い切れていない様子も見て取れます。

辛い現実を脈絡無く瞬時に変えてくれる「魔法」を信じていたいけれど、向き合うべき「現実」がすぐそこにある事にも気付いている
子どもと大人の丁度中間の女の子。

魔法のボールを打ったあのシーンは
自ら現実と向き合う選択をした、意志の表れだったんだな…。

そんな娘の成長を父親も間違いなく感じていて、彼もまた未来に進む為に「入院」という選択をしたのだろう、と…。

鬱患者が身の回りの環境を大きく変えるのは物凄く勇気のいるしんどい事だと思います。
入院して病気が良くなるのならすぐに入院していれば良かったのに、恐らく長いことその選択をしていなかった。出来ない理由があった。

でも、最後に入院すると言ったのは娘に励まされたから。娘の為を想ったから。

きっとそれは娘にも伝わっていたのだと思いますが、
最後の最後に溢れた涙が彼女の本当の気持ちで…。
「早く帰ってきてね」子どもの立場の素直な気持ち。

「わさび」は間違いなく、親子の絆を深める人生のアクセントだったんだな…。

とても繊細で胸が痛いけど、物凄く優しい作品でした。
映画祭で拝見。短編映画でこんなに感動したのは初めてでした。
というか今年見た映画で一番感動しました。
芳根京子さん演じる葵が本当に健気で儚くて素晴らしかった。ラストシーンがとにかく、こちらの期待を裏切るものだった。
短編。主人公は寿司屋の娘。大将が鬱になり、一家は生活保護を受けることになり、娘は大学進学をあきらめる。ツレうつのように真正面から鬱を描くのではなく、映画を構成するいくつかの素材の一つとして出している。それだけ鬱が社会的に認知されたということか。
みずき

みずきの感想・評価

4.0
強がりながらも、ひとりで健気にいろいろなものを背負う、ソフトボール部の女子高生の姿。きらきらしていて、みずみずしい。芳根京子ちゃんの演技が、等身大でとても良かった。

冬の飛騨高山の街並み、夜の景色が透明感に溢れており、ストーリーの彩りになっている。

表題作のわさびだけでなく、他2作品もぜひおすすめしたい、短編映画集。
2017.10.14
『映画監督外山文治短編作品集』にて。

まさに”わさびちゃん”の人生を切り取った作品で、この30分の映画の中に描かれる”わさびちゃん”のこれまでと、これからを想像したくなる映画だった。
高校生という時期、現実を知り、受け入れていかなければいけない少女の様子を、丁寧に描写していると思う。「魔法」だと思っていたものが、現実に感じる瞬間。いくつもの葛藤がそこにあって、みんな気付いたら大人になっている。
ラストのセリフも、彼女の思いが込められた余韻の残る一言だった。
だからまた観たい。
素敵な作品!!
marimo

marimoの感想・評価

4.0
芳根京子の演技で魅せた作品。

30分と短い作品だが登場人物は多い。
それを話し方の違いや表情で関係性や距離感まで伝える演技力。芳根京子すごい!

各役者の演技、監督の演出はもちろん素晴らしい。ただ、映像には描かれていない、そこまでの時間をも想像させる表現力。芳根京子すごい!
nuruko

nurukoの感想・評価

3.6
芳根京子が素晴らしい。彼女の演技と存在感で映画の質がぐっと上がっているように思ったし、長編でも観たくなった。
傑作!!即DVD化希望!!
ユーロスペース最終日に鑑賞。滑り込みセーフ、観客は満員でした。
「わさび」と同時上映の他2本あったけど、どれも素晴らしかった。
レイトショーだったのでお客さんのほとんどが大人だったけど、学生にも見て欲しいので、DVD化を希望します。
ユーロスペースのレイトショー観客動員数歴代1位になったそうだが、納得。早く見て欲しい。