鶏

デトロイトの鶏のレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.3
人種差別に加えて、当時のアメリカ司法の大きな欠陥と公権力の暴走が起こした惨劇。
「人種間問題には関わりたくない」と見て見ぬふりをするミシガン州警察と、「警察の責任だぞ」と吐き捨てながらも積極的に止めない州兵。
容疑者がいないことが判ってからも宿泊者を虐げ続けたデトロイト市警と、対照的に、親身に介抱してくれたあの警官も皆印象的だった。
ウィル・ポールター演じる傲慢な警官役は演技と分かってても不快感を禁じ得ない強烈さ。
特に裁判所でラリーを見かけてニヤけるシーンとかエグいくらい邪悪。怪演っぷりに脱帽。
一方で、事件の後にかつての歌手仲間と袂を分かったラリーのその後の選択には感慨深いものがあった。
傑作でした。
鶏