Shizka

デトロイトのShizkaのネタバレレビュー・内容・結末

デトロイト(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

黒人と白人の対立が激化した1960年代、こんな仕打ちが実際に起こっていたわけか、、

黒人たちは悪くない、もちろん。警官の対処がとんでもなく酷い、もちろん。だが、その火種となるお互いへの疑心暗鬼はお互い持っていたからこうなったわけだ。

もしかしたらこうするかもしれないから一応用心のために、、とか、こうやって騙すこともありうるからこうしてやろう、とか、その猜疑心が警官をああさせているのだろう。だから警官が酷いのにも理由がある。賛成はできないけれど。

アメリカの感動もの映画はだいたい正義は勝つ!で終わるので珍しく有耶無耶にした映画を作ったな、と思う。この監督らしい、やりきれなさが充分に出ていた。

しかし同時にこの監督の、むやみに長い、やたらと残酷、とにかく収束していかないところもよく出ていた。

モーテルのシーンは真に迫るものがあって、自分が撃たれるような緊張感をもって長時間グッとした身を縮こめさせる時間を強いる、が、そのせいか尺が長くなってトライアルがぼやけてしまい、あれこれで幕切れ?とかけたハシゴを外されたような肩透かし感。あのモーテルの緊張感が消化されないまま別シーンになっておわってしまった。

最後はじっくり考えさせないと監督の言いたかったことが浮かび上がってこない。あの事件でまた白人の横暴が暴かれたこと、あの事件がきっかけで白人へのヘイトが溜まり、ステージはの道を自ら閉ざしてしまったこと、いろいろな側面が見えてくるが、、、

そういうあれ?というかけたハシゴを外されるのが短所といえば短所、長所といえば長所なところ、好き嫌い分かれるだろうけど私はそんなに好きじゃない。
Shizka

Shizka