〝1967年、米史上最大級の暴動勃発。街が戦場と化すなかで起きた戦慄の一夜〟
わずか50年前に起きたデトロイトでの黒人暴動と、その最中にモーテル内で起きた凄惨な尋問とその後の顛末を描いた作品。
冒頭、窓のブラインド越しに外の様子を伺う少女に対して、軍が反射的にとった対応に絶句した。
相手が何者か分からないから、怖いし攻撃的になる。このシーンが本作が伝えたいことを一番象徴しているように思えた。
そして中盤、モーテル内で理不尽な尋問をする警官に対して、被害者の女性が放った「イエロー（卑怯者）よ」という台詞が印象に残る。
黄色には卑怯者というイメージがあるのだろうか。黄色人種の日本人による真珠湾攻撃から来ているのだろうか？と色々考えてしまった。
この映画では黒人差別が描かれているが、今は誰もが同じような状況に巻き込まれる可能性があると思う。いつどこでテロに巻き込まれるか分からず、拉致されて尋問されることが絶対に無いとは言い切れない。
モーテルで人権も尊厳も奪われながら耐え続ける黒人たちを見て、自分はあそこまで耐え、かつ勇気を見せることができるだろうかと考え始めたら涙が出てきた。
こうした事件がたった50年前にあったということを、恥ずかしながらこの映画に出会って初めて知った。知った以上は、この映画で抱いた感情を大切にして、今後の生き方にも反映していきたいと思う。
感情を揺さぶられ、心に爪痕を残す映画だった。
