おいも

デトロイトのおいものレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.0
社会問題を扱う作品では、さまざまな言い分が提示されてきた。本作では「起こったことは、こうです。あなたはどう思う?」と問いかけられる構造になっている。

プロローグとなる史実から一連の生活背景が描かれ、一気にモーテルの一夜というミクロな世界に閉じ込められる。事件後、また話は元の世界の大きさに戻る。

そこに至って、そもそもこんな時代に、こんなことになってしまったのは誰のせいなのかを考えると、終盤のディスミュークスのセリフが効いてきて、答えを導き出すことが容易でないことに気づかされる。「劇場を出た後も悩め、家に帰っても考えろ」と言われている風に思えた。

何より、撮影中に自分の役の冷酷さに泣き崩れたというエピソードはウソなのか?と思わせるほどの、人とは思えない鬼畜警官ぷりを見せたウィルポールターと、それに歯噛みすることしかできないジョンボイエガの存在感がありすぎだった。あと我らがイージー・Eことジェイソンミッチェルの短い時間で見せるドラマも最高だった。

強いていうなら顔のアップを使いまくるのがしんどい。事件の晩にダイブしていく感覚には貢献していたけれど、終盤まで使い続けなくとも良くないか…
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