このレビューはネタバレを含みます
デトロイト騒動渦中に起こった「アルジェ・モーテル事件」を題材にしているが、我々日本人が考えている以上に人種差別問題が根深いことを痛感させられる事件
冒頭のデトロイト騒動に至った社会的背景をアニメーションと実写を交えて分かりやすく説明しているので、冒頭からスムーズに当時の混乱している状況を把握することが出来る演出は巧い
特に中盤で起こる「尋問」と呼ぶには余りにも苛烈な行為が一部警察官で行われるのだが、まるで当時のモーテルで実際に屈辱を受けているかのような緊張感には圧倒される
哀しいことに自白とと言う名の強要は現代でも変わらず続いているものであり、人間の本質・醜悪な面をむき出しにしたキャスリン・ビグロー監督の手腕は見事というしかない
アカデミー賞作品賞の候補にすらならなかったことにも、何ならかの意図を感じてしまうのは自分だけだろうか
