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ベルリン・シンドロームのJIZEのレビュー・感想・評価

ベルリン・シンドローム(2017年製作の映画)
3.8
"異国の街で出会った親切な男が実は監禁常習犯だった…"もので間接的な恐怖が画面全体を支配していた。また主に脱出劇の体裁を取りながら監禁犯の素性が白昼夢の下へ次第に明かされていく。その場をしのいでも更なる障害が張られていたり傑作映画「ドント・ブリーズ」風な執拗さがあくまで俯瞰的に描かれている。監禁する理由が主眼というよりかは底はかとなき男が背負う壮絶な闇をデフォルメした作品。原題のSyndromeは"病的な症候群"を意味しててすなわち異国で出向いた旅行者への警鐘にオレは感じた。一度入ったら脱け出せない空間からあらゆる可能性を模索して女性が生還を目指す。中盤で犠牲者が出る一幕や飼い犬が忽然と消える謎,潔癖症とおぼしき監禁犯の社会不適合ぶりなど居場所がない男の内面を監禁という大罪で浮かび上がらせている。最後にドでかいカタルシスがストーリー内で生じないのは開かずの扉を逆に揶揄させたのだろうか。 。主演の女優がただただ美女というそこがゆいいつの輝きだった。
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