「何がイケてるのか?イケてることはアートの価値とどう違うのか?」的な自意識についてという側面もあった『ヤングアダルトニューヨーク』と似ているところもあり、まともなコミュニケーションが取れなくなった家族を描いた『イカとクジラ』的なところもあり、ノアバームバックが描いてきた生きづらそうなキャラクターが、マイヤーウィッツ家として一挙に押し寄せて来たみたいな感じだった。
でも今までのような意地悪な視点はほどほどに、三世代が同じ場所にいるからこそ、それで反発するのではなく、中和されていく様子を見ているという感じもあった。身内であり他人でもある、そうそうこれが家族なんだよ!とそれぞれのおしゃべりを聞いてるだけでも微笑ましく、他人事とは思えないリアルさもあって恐ろしくもある。これ、80年代のウディアレンじゃん。
何の不快な引っかかりもない、流れるような脚本と台詞回しは流石ノアバームバック。ウディアレンみたいに一年一本ペースで作ってほしい。全部観に行く。