マイヤーウィッツ家の人々(改訂版) の作品情報・感想・評価

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版) 2017年製作の映画)

The Meyerowitz Stories (New and Selected)

製作国:

3.8

あらすじ

年老いた父親のお祝いのために家に帰ってきた3人の兄妹ダニー、マシュー、ジェーンと、彼らが大人になっても大きな影響力を持つ芸術家の父親ハロルドとの葛藤、そして家族の絆を描いたホームコメディ。

「マイヤーウィッツ家の人々(改訂版) 」に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.1
 早朝のニューヨーク州マンハッタン、娘イライザ(グレイス・ヴァン・パタン)を大学まで送るダニー・マイヤーウィッツ(アダム・サンドラー)はいつもの如くマンハッタンの交通状況に苛立つ。通りには建設中の建物が立ち並び、車道の両側には路上駐車の車が列を成している。後方からクラクションを鳴らされたダニーは癇癪を起こす。イライザが18歳になるまで娘の面倒を見たダニーは、妻のカレンと離婚調停中だった。曜日替わりで娘を大学まで送り迎えする夫婦の姿は、『イカとクジラ』においてジョーン・バークマン(ローラ・リニー)の家とバーナード・バークマン(ジェフ・ダニエルズ)の5駅先の仮住まいを兄弟が往復した様子と同工異曲の様相を呈す。その日の夜、ダニーの実家の食事会に呼ばれた父娘はダニーの実父ハロルド・マイヤーウィッツ(ダスティン・ホフマン)の歓待を受ける。姉のジーン(エリザベス・マーヴェル)も交えた食事会の席、ハロルドの側には3度目の妻となったモリーン(エマ・トンプソン)がいる。継母となった女のサイケデリックなファッション、貝の開いてないサメのスープ、イライザが12歳の時に作った曲の父娘の連弾。ノア・バームバックお得意の全員変人な家族の歪過ぎる関係は早くも明らかになる。

 5章仕立ての物語は、マイヤーウィッツ家の家人たちそれぞれの深刻な問題を照らす。家長で著名な彫刻家であるハロルドはまるで『イカとクジラ』のバーナード同様に、栄光は既に過去のものになっている。盟友であるL・J・シャピロ(ジャド・ハーシュ)の個展会場で文句を言うハロルドの病巣。3度結婚した彼のだらしない離婚癖を、息子であるダニーや彼の異母兄弟であるマシュー(ベン・スティラー)も見事に受け継いでしまう。LAからNYの生家にやって来るベン・スティラーの姿は『ベン・スティラー 人生は最悪だ!』と真逆の様相を呈す。気難しい芸術家気質で、変人のハロルドに翻弄された異母兄弟たちの数奇な運命は、父親の病気を境に動き出す。建築家として、父親の家と作品を売りに出したいマシューとあまりの思い入れの深さに躊躇するダニーの対比、ジーンの幼少期の秘密のカミング・アウト、3兄弟はそれぞれに問題を抱えながら、「グループ展」の会場で大衆を前に大立ち回りを演じる。バームバックお得意の癇癪を起こす男たちの行動はビリヤードやポール・エプスタインへの車への殴打で炸裂する。家族の不和、居住空間の移住など散りばめられたノア・バームバックの手癖、ラストの第5章のぶっきらぼうな編集とダニーの口元のエクストリーム・クローズ・アップの高揚感がとにかく素晴らしい。
偏屈で頑迷な売れない老芸術家である父の入院を機に、今まで疎遠だった3人の異母姉弟が集まるというお話。
全体的にスクリューボール・コメディみたく早口でまくしたてるような会話スピードで展開していくのだが、個人的にそのようなスタイルが好きなので高得点。
冒頭の路駐シーン、イライザの意味不明な映像作品、がんこかわいいホフマンなど笑えた。
冒頭から、スクリューボール並みの矢継ぎ早の会話と展開。
シーンごとにワンテンポはやく切れるカットもよかった。
かと思えば、中盤から徐々にテンポが変化する。
マイヤーウィッツ家の人々は、風変わりでちょっとキレやすい。家族が憎いけど愛してる。
(改訂版)までがタイトルなのもおもしろい。
劇場公演されないのが残念。カンヌで議論があったそうだけど。
今後、劇場公演されないものも増えてくるのかだろうか。
神堂

神堂の感想・評価

3.6
ノア・バームバック監督作品初鑑賞。
NYで顔を合わせた3人の異母兄弟が気難しい芸術家の父に振り回される話。

アダムサンドラーとベンスティラーが異母兄弟、困ったクソ親父を演じるのがダスティンホフマン。無茶苦茶ハマってます。

自分も3人兄弟なので、途中から自分、身内と重ねながら見てしまった。家族との関係を見直すいいきっかけになったかな。親戚、血縁ってメンドくさいなと普段感じる人に刺さると思います。
Naoto

Naotoの感想・評価

3.6
風邪引きながら見るにはちょうどいい、若干の憂鬱
僕はダメでした。グレイス・ヴァン・パタンは将来が楽しみな役者だとあらためて実感できたのは嬉しかったけど、ダメな父親でも家族だからという理由で気にかけなきゃいけないのはどうなんでしょう?と感じてしまった。『ヤング・アダルト・ニューヨーク』でも思いましたが、ノア・バームバックの価値観ってけっこう保守的ですよね。
obatasaki

obatasakiの感想・評価

4.0
ダメでもなんでも閉じ籠らず外に向かって相手とコミュニケーションはかる(まるで話噛み合わなくても)マイヤーウィッツ家の姿勢がたのしい。いろんなことを乗り越えてきたからこそなんだよなあ…と思ったら家族を感じずにはおれないな。あなたはあなただし仕方ないけど…!と細切れにキレながらも諦めと愛に溢れた笑で許してくれる温かさ、ダニーと娘の関係、マシューと息子の関係にこの一族のよさが滲んでいると思う。(家族のオリジナルソングなんかも)ノアバームバックのとても独特な構図やタイミング、構図やタイミングでもテーマは表現できるのだ、、とひしひしと感じた。
netflix配信。ノアバームバックの新作。これはやられちゃったなぁ。
家族や人生にどんな些細な問題も抱えていない人間などいないとはわかっていながらも、自分の境遇を責め恨んでしまうのが人間だもの。
変調する編集、歪なカット割りはただの洒落ではなく、それ自体がテーマを表現。ゆえに作品に寄り添える。
まい

まいの感想・評価

3.1
絶妙なぶつ切りかたと音楽はとても好きだったけど、
なんとも言えない家族の感じにリアルさを覚えると同時にイライラもしてしまった。

みんなこの監督が、って言ってるから他のも見て見たくなった。ただこのような曖昧な感情で終わるんだろうなあとは感じている。
『イカとクジラ』の続編とも言うべき作品。子供の頃には言えなかった、内に溜め込んでしまったあれこれを大声でぶちまける様は、キツくもありちょっぴり滑稽でもある。これまたかなり脚本がいい。感傷に流れすぎないのもいい。
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