味コスモ

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)の味コスモのレビュー・感想・評価

4.0
彫刻作品の控えめなサイズがいいね。

おじさん/おばさんが小走りになってる姿は、なんとも言えない味わい。

父親の人間性に難はあれど、基本的に子供たちは彼の作品を悪く言ったりはせず、正当に評価されてほしいと望んでいる。それってつまり、「自分たち」のことなんだよな。このまま放っておいて、ゴミ同然にはしたくないし、なりたくない。それぞれのやり方で、どうにかしたい。

ダスティン・ホフマンが出てて、片足引きずってて(アダム・サンドラーが、だけど)、ニューヨーク…となったら、思い出さずにいられないのが『真夜中のカーボーイ』。ちょい役で登場するもうひとりのアダム(・ドライバー)は、アダム・サンドラー演じるダニーの成功した姿でもある。ダニーとマシューのありえたかもしれない兄弟関係。「海水のプール」は『真夜中のカーボーイ』の妄想シーンを連想するが、成功したアダムであっても諦めざるをえないとは、どこまでも甘くない話だ。

病院の担当者が次々変わるのは、父親の家庭生活と重なる。怪我したときに適切に処置しておけば大事には至らなかったはずが、ズルズル先延ばしにした結果、手遅れ間近に。

マシューの実母役のキャンディス・バーゲンは、夫のルイ・マル監督(『死刑台のエレベーター』『地下鉄のザジ 』)と死別したあと、ビジネスマンと再婚。LJの娘役のレベッカ・ミラーは、劇作家 アーサー・ミラー(『セールスマンの死』『るつぼ』)の娘。このあたりの配役も絶妙。
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