JOY

シェイプ・オブ・ウォーターのJOYのレビュー・感想・評価

4.3
Amazonプライムにて、字幕版、レンタル

オクジャやエクスマキナ、作品形態は違うけど「人喰いの大鷲トリコ」に似たような、人間からかけ離れた姿の何かに愛情に近い感情を抱く作品が、近年少しずつ増えてきているように見える。
愛を含む様々な感情の前提条件として、容姿の持つ意味が少しずつ薄れているのではないかな、と思った。魂の触れ合いと言うと大袈裟かもしれませんが。

デルトロ作品は「パシフィック・リム」「パンズラビリンス」と見てきたが、SFXというのか?怪物の見た目と、生物としてのディティールが細かすぎる。今回の怪物は目の瞼とは別に、水に近い生き物特有の自由に動かせる目の膜があった。神は細部に宿る、というのはこう言うことなんだな、と。瞬きの仕方一つにとんでもない説得力がある。
ストーリーは相変わらずシビアで、特有の強い暴力を振りかざすタイプの前時代的な男性が出てくる。想像力の塊みたいな人間として、監督は自分の理解できないものを簡単に弾圧できる人物像が許せないのかもしれない。けれど、こういう人間は巡り巡って、また現れると思う。今はそういう人間がよくないとされてるだけで、世論は巡り、直接的な問題解決に最短のルートを取れる狂気が持て囃される時代がいつか必ず来る。
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