このレビューはネタバレを含みます
二人の愛が深まる過程は、音楽に感覚全てを委ね身体を揺らすような心地。バスルームを水一杯に溜めるシーンでは、あまりのロマンティックさに目が潤む。
ラストシーン。彼はイライザを抱え、静かに海に沈んでいく(なんと呼んでいいかわからないが、鑑賞し終わった時彼のことをモンスターとは呼べなくなっていた)。
喉元の傷に手をあてると息を吹き返すイライザ。
深い深い海に沈んでいく様は、二人の愛は底のない永遠であると信じさせてくれる。海の中で再生する二人より、海(水)というものは創造力・生命の根源であることを改めて感じた。
試写会にて監督は「愛を語るのは難しい時代」と語った。
この映画を観たあと、誰もが愛について思いを巡らさずにはいられないだろう。