Gewalt

シェイプ・オブ・ウォーターのGewaltのレビュー・感想・評価

4.1
発話障害の女性とモンスター「彼」のロマンス。この設定だけでこの映画はもう「勝ち」だなと思った。言葉を交わすことができない彼らの関係は映像によってのみ語られる。優れて映画的な舞台設定だ。なんなら「彼」との会話のシーンでは手話の字幕もいらないとすら思った。

「彼」と我々(人間)の違いはなんなのか?言葉を話せない私は人間よりも「彼」に近いのではないか?そもそも私たちとは何なのか?神の似姿として人間があるならば「彼」が神なのではないか?こうしたスリリングな問いを投げかけながら「彼」を巡る様々な思惑や陰謀が展開していく。
クライマックスでは「彼」はまさしく救済者として、それこそ神の如く振る舞う。地上の陰惨を払い人を希望へ導く。パンズラビリンスにも通ずる主題だ。

不定形の水は全てを温かく受け容れている。
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