MissLily

シェイプ・オブ・ウォーターのMissLilyのレビュー・感想・評価

4.2
ギレルモ監督、おめでとう!

本作はこれまでのギレルモ監督作品の中でも一番愛と希望に満ち溢れた作品。

“Shape of Water”
「水の形」というタイトルだけに、
形のない愛や優しさにいっぱい溢れてる。

彼の描くダークファンタジーワールドが好きすぎて公開を待ち遠しく思っていただけに、少し期待しすぎてしまった部分もあったけれど、思い返すとじわじわ胸にくる。

今朝の会社の朝会でもこの作品をどうしても紹介したくて、「半魚人と女性のラブストーリー」とライトに紹介してしまったのが悔やまれる、、。

今、アメリカ社会が銃規制、ヘイト問題、LGBT問題と色々な問題で揺れている時だからこそ、ふと大事なことを見落としてないか、と立ち返らせてくれる。

肌の色や外見といった見た目だけで人を判断するのではなく、大事なのはその人の中身だということ。

今のアメリカ社会に向けて、警鐘も含め、精一杯の愛を込めたメッセージが本作だと思う。

映画の中で一番グッときたイライザの言葉が

「私は何? 私は喋ることができない。彼も言葉を喋ることができない。私たちには何の違いもない」

作品中に捕らわれた半魚人だけでなく、黒人やゲイ、存在を虐げられてきた声なき人が登場するからこそ、その人々の間にある「愛」や「優しさ」が際立つ。

みんなお互いを支え合いながら生きているんだよ、と優しく諭してくれる本作。

もう一度みたくなる。
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