あたりめッピ

シェイプ・オブ・ウォーターのあたりめッピのレビュー・感想・評価

5.0
言葉を超えたコミュニケーションは、昔『バベル』でテーマになってはいたが、スケールが大きくなりすぎて大袈裟でどうも伝わってこなかった。
本作はギレルモ・デル・トロ監督だからこそのふしぎな小さな街で、水に溶け込むようなセットで、素敵な愛を見せてくれた。水の形はいかようにも変わるから、言葉はではなくても色々な形で関係が示せる。水は動物にも世界にも必要なものだから、誰にでも共通して存在する。誰でも心を通わせることができる、みたいなメッセージを感じた。

時代背景は冷戦だったけれど、命と心あるものの差別や扱いに戦時中のような、覆い隠せない人間の恥ずかしい面が滲んでいたようにも思う。
博士の行動は遠藤周作の『海と毒薬』を思い出させた。

ラスト、あれはどうなったのだろう。
夢なのかな、みんなの希望なのかな、本当は…と考えてしまうが、パンズ・ラビリンス的な悲しい余韻は無くどうかハッピーエンドでと思った。
あたりめッピ

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