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シェイプ・オブ・ウォーターのchaooonのレビュー・感想・評価

4.2
デル・トロ監督が贈る、大人のおとぎ話。冷戦時代のアメリカが舞台にも関わらず、美しいファンタジーに仕上がっている♪不思議な映像で織りなす世界が素敵でした♡
それでいて、夢夢しすぎなく、残酷さと、露骨な部分もありながら、心が惹かれる、不思議なバランスが良い♡ダークで重みのある色味と、美し過ぎない調度品、部屋の質感、窓や扉の不思議な角度。どれもこれも、どストライク!

タイトルにもある、「水」の表現が素晴らしい♪オープニングの映像から、その世界観に引き込まれる。バスにかかる水飛沫が踊るような映像が一番好きだった♡2人が水の中で愛を育む描画もとてもよかった♡

人間とクリーチャーを分かつモノは何か?姿、形か。それとも言語か?
人種を分かつモノは?肌の色?
人間とそれ以外の種を分かつモノは?知能?
線引きって何だろうって考えちゃった。

孤児で言葉を発することのないイライザの、これまでの不遇や他人から受けてきた非難。それ故に生まれる、線引きが素敵。

サリー・ホーキンス演じるイライザが、無垢な少女のように見えるときもあれば、成熟し自信に溢れた大人の女性の姿にも見えるときがある。言葉を発することがない中で、感情や情緒面の表現が本当に豊かで、魅入ってしまった!タップを踏むところがなんともキュート♡
話さない彼女だからこその、あのミュージカルシーンの使い方がとても効いて良い♪
音楽も小粋でとっても良かった♪

イライザが言葉を発せなくなった原因の傷が、最後にああいう形で意味を持たせたところ、最高でした。必然って感じで。

見事な敵役のマイケル・シャノン!それとは真逆に、どの映画でも好感度100%なオクタビア・スペンサー!今回もふてぶてしさが堪らない。演じ手がどの方もハマっててよかったぁ。

近年のアカデミー作品賞受賞作、面白いけどハマれないのが続いてたけど、これはかなり好みのやつでした♡
受賞時のデル・トロ監督のスピーチよりも、町山氏が号泣してたのが、印象的、笑。今年は何が受賞するかな〜♪
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