松瀬研祐

シェイプ・オブ・ウォーターの松瀬研祐のレビュー・感想・評価

4.0
登場人物たちが揃いも揃って利己的でありながら、自分の中の譲れないものをとことん追求しようとする行動の果てに物語が進んでいく。

半魚人のような生き物と主人公の女性が身体を重ねる描写はあるけれど、そういう具体的な交わりが愛ではなくて、助けようとするためのなりふり構わない行動そのものがここに描かれる「愛」なんだなぁと思ったり。

ところどころに出てくる名言というか、敵役となる人物と主人公が初めて対峙すること場面が男性トイレなのだけど、そこでのやり取りで敵役が、「男の度量はトイレに入って、手を先に洗うか後で洗うかで決まる」という発言をしたのが痛快だった。しかもその後に、半魚人に指を二本持っていかれるという因果は、ご愛嬌か。
松瀬研祐

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