アカデミー賞を席巻していたので、もっと道徳観念の強い感じかと思ってたんですが。
気構えしなくても、普通に楽しめるファンタジーでした。
ギレルモ監督だったんですね。なるほど。『パンズ・ラビリンス』より、数段腕を上げておられます。
ファンタジーと言うと、どうしてもイギリス色が根強い中、これだけニュアンスの異なる作風で、ハリウッドまで魅了してしまったのが凄い。
どす黒い影が見え隠れするんですよね。幻想的な演出の狭間に、デリカシーなくグロい描写があったりして。
天の邪鬼な要素も含めて、この監督の個性かなと思います。
サリー・ホーキンスは大正解でしたね。声を発さずともあの色気。『わたしを離さないで』の頃から存在感ありましたが、年を取った方が深みを増す女性って少ないですよ。
半魚人(と呼ぶと語弊がある気がするけど、キャストにそう書いてあるので…)さんは、中身はおじ様で意外でした。いい身体してます(^^;
個人的には、リチャード・ジェンキンスが大好きでした。主人公と違った意味での悲哀を抱きつつ、リアルな人の良さで和ませてくれます。
彼は『食べて、祈って、恋をして』も素晴らしいです。
端的に言うと、ギレルモ版“美女と野獣”ってところでしょうか。
ヒロインが妙齢の美女で、サスペンス仕立てになっている点で、小生はこちらに軍配。
最後まで、どういう結末か分からず吸い寄せられます。
音楽も、ジャズやしっとりした曲が多くて好みでした。
一味違ったファンタジー、今後の作品も楽しみです❇