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劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

大和和紀による少女漫画『はいからさんが通る』を二部作で劇場版アニメーション化した後編である本作は、シベリアへと出兵した忍の訃報により伊集院家を自身が守ると宣言し、家計を支えるため、女嫌いの青江冬星が編集長を務める「冗談社」の記者となった花村紅緒と、シベリアで記憶喪失となり、旧ロシアの亡命貴族サーシャ・ミハイロフ侯爵として妻のラリサと日本で暮らしはじめた伊集院忍の恋の行方を描いたものとなっているのだが、忍の記憶喪失によって仲が引き裂かれた2人に加え、母親にお見合いを無理強いされている編集長の青江冬星や、病を患い余命いくばくもない忍の妻・ラリサの4人が織り成す、記憶喪失や病気、そして関東大震災によってかき乱されていく複雑な恋愛模様は展開が気になり、前作同様に最後まで見入ってしまいましたし、記憶を取り戻すも病に臥せる妻を気遣い紅緒のもとへと戻れずにいる忍の葛藤や、その様子を目の当たりにして自らが身を引くことを心に決めた紅緒の心情などもわかりやすく描写され、そしてコミカルさも忘れておらず、明るい性格の紅緒をはじめとしたキャラクターらによるコメディも映し出され、本作もまた前作と比べると内容こそ重たいものではあるが、気軽に視聴のできる作品となっていますし、最後まで目の離せない面白い作品でした。ただ、全体的に淡々としていて、展開もわりと駆け足だった印象。
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