若色

オー・ルーシー!の若色のレビュー・感想・評価

オー・ルーシー!(2017年製作の映画)
3.4
痛々しさと共感のギリギリのラインを突いてくる作品。
独身40代を迎えそうなわたしには、主人公(寺島しのぶ)を笑えなかった。

事務の仕事も面白くなさそうだし、タバコだけが唯一の救いとばかりに吸いまくる痛々しさ。ちなみに部屋は汚い。

結婚して子どももいる、主人公の姉(南果歩)も全然幸せそうじゃない。
手当たり次第に文句をいい、何かというと相手を責め、自分の正当性を当たり散らす痛々しさ。

好きな人と妊娠までしてアメリカまで行ったものの、些細なことに絶望し(大人から見れば、まー予想できること)その人の車を奪って、でも全然私悪くないもんね。言う痛々しさ。

みんな痛々しいけど、絶妙な距離感のおかげで笑うこともできず、強く誰かに感情移入するわけでもなく、ただ物語を観る人になった。

金髪に真っ赤な口紅のオー!ルーシーになりたかったんだね。
その魔法は彼の前でしか使えないと思ってる。

でもあの明るさを発揮すれば、すぐ友達だってできるのに人気者になれるのに。

みんなそれに気がつけなく、魔法のピンポン玉を大切にしてる。
若色

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