こうみ大夫

オー・ルーシー!のこうみ大夫のレビュー・感想・評価

オー・ルーシー!(2017年製作の映画)
4.3
最後ちょっと泣けたよね、不思議と。天才と凡才が交互にやってくような荒削りの、しかし無骨で真っ直ぐな映画。この映画で駄目だったものが一つあるとしたら撮影だろう。あまりにも無駄に動きすぎるカメラだったと思う。
関わり合うということは傷つけ合うということでもある。そんな当たり前のことを私たちは忘れ、関わらないことを美徳のようにして振る舞う。それが今の日本なのだ!そしてそれに加わる要素として自殺問題を挙げてきた監督のセンス、素晴らしい。国内の日本人監督の中からこうしたメッセージが出てくることを願っていたが、海外へ行った日本人監督からの発信であったのは複雑な心境。
タトゥーは昔の傷を取った行為。「ハグ」という行為の持つ、一人歩きする意味の深さが凄い。私の名はダニエルブレイクのような無骨さを持ちつつ、ショーシャンクの空にのような壮大なストーリー。うん、この監督は小さなところには収まりきれんわ!
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