小倉愴

彼女の人生は間違いじゃないの小倉愴のレビュー・感想・評価

4.2
インタビューで監督が語っていたとおり光の演出がとてもきれい。

そんな光のなかで主人公がぼんやりと外を見つめる、何を見て何を思ってるんだろう、セリフは全くないのにただの空白ではなく様々な余白を持たせてしまう演出とそんな瀧内公美の等身大の演技を見事に切り取ってみせた監督の手腕にうっとりしてしまった。

言葉に出来ない色々な思いをそのまま画面に描き出してる脚本と演出も粋。
そして様々な音に気を遣った細やかな音響演出のお陰で、「この人たちは本当に生きているんだな」と思わせることでしっかりと物語にのめり込める。

言葉でスパリとは言い切れないもやもやとした感情やエネルギーやらそういう色んなものを、無理に言葉にせず、でも等身大にそのまま描き取った、細やかな演出がピカリと光る一本でした。
本当におすすめの作品です。
小倉愴

小倉愴