えり

彼女の人生は間違いじゃないのえりのレビュー・感想・評価

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見慣れたいわきの風景、東京に向かう高速バス、東京駅に降り立った時の視界がひらけたような、でも急に雑多なところに降りて気持ちをしっかりさせないと歩き出せないような、いろんな私の心の混沌を混沌とさせたまま重ね合わせていた2時間。
久しぶりに昼間の映画館で観たので、後ろのおばちゃんたちがいわきの景色が映るたびにああでもないこうでもないと言っていて、応援上映…と思いつつ、劇中の写真展をみていた人たちと同じで、やはりここに住んでる人たちが一番あれからのことに対して心にしまっている言葉は多いのだと思う。それは私も同じで。

ずっと、なんで外側にいる人が福島のことを伝えたがるのだろう?と思っていたけれど、冬に俳優で会津出身の唐橋充さんの個展に行ったときに、いわきから来たとお話ししたら、「つらい思いをしている中の人ばかりが、中でつらいつらいと言っていても、外の人には届かないから、僕みたいな外にいる人が『ここにつらい思いをしている人がいますよ』と外の人に教えてあげられたら」と言ってくれて、頑なだった部分がすこしほぐれた気持ちだった。

誰かが自分を特別に守ってくれるわけじゃないというのは、自分の心は自分で思う存分守っていい、ということだと思っている。
柄本時生の家が、去年仕事でお邪魔してお話を聞いたりお雑煮を教わったりした方の家だったので、びっくりというかちょっと嬉しい?みたいな変な気持ち。
あと東京駅に、あのくらい綺麗で空いてる女子トイレがあるなら、ちょっと教えて欲しい。
えり

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